第62章-あなたは誰?

暴力、流血描写あり。場合によっては殺害表現を含みます。注意してお読みください。

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心臓は恐怖で暴れ回っていた。だが、今度ばかりは逃げない。自分を怯えさせ続けるその人物を、こちらから探し出してやる――そう決めた。

控えめな鈴の音がした。すると、それだけで犬がこちらへ駆けてくる。

ばか、アニヤ!

こんなの、愚かさのせいで噛み裂かれて終わりだ。骨まで粉々にされる。

けれど犬は飛びかかってこなかった。彼女の脇をすり抜け、走り去った。そしてイグナスいちの愚か者みたいに、彼女はそれを追いかけた。

追いかけたのだ!

なぜ?

なぜなら、犬がどこへ向かうか――いや、誰のもとへ行くかを...

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