第37章-花嫁のジレンマ

杯が床に叩きつけられ、甲高い響きが食堂じゅうに鳴り渡った。床の上を跳ねるように転がっていき、やがてレディ・ケストラの背の高い赤い踵のすぐ前で止まる。

長く、赤く磨かれた爪がするりと杯を取り囲み、それを拾い上げる。ほどなくして、彼女が食卓へと歩み寄る踵の音が、硬い床にかつかつと響いて広間を満たした。

「どうかお鎮まりください、陛下」

彼女はそう言って、杯をそっとテーブルの上へ戻した。

すでに日は落ち、夜の闇がまた彼らを包んでいた。だが王はなおも、花嫁盗人が再び現れたことに激しい怒りを燃やしていた。

「落ち着いてなどいられるか!」

彼は両手を勢いよくテーブルに叩きつけ、その力で天板にへ...

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