第10章-もう一つの悲惨な取引

「だめ――」アラリスが異を唱えるのが聞こえたが、もう遅かった。

何かが、ふたりの手が触れ合っているその一点から、彼女の手をまっすぐ貫くように流れ込んできた。奇妙な気配が体内を移動していくのがわかる。やがてそれは頭へ至り、するりと心の隙間にはまり込んだ。異質な存在――増えた重み。

すべてが終わると、彼女は目を開けた。

「これで済んだのね? 道を示してくれるんでしょう」

導き手は満面の笑みを浮かべた。「もちろん。城へ行きなさい。私が案内してあげる」

彼女はうなずき、その洞窟の区画から一歩外へ出て、さっきまでいた区画へ戻った。

アラリスの不機嫌な声が聞こえる。鋭く、怒りに満ちた声で導き手...

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