第13章-父のように、息子のように?

「王の言うことが正しいのかもしれない」

ヴェリスの穏やかな声は、容赦のない意味を帯びていた。そのひと言は、夜のやさしい風ですら鎮められない何かを、イクルスの胸の奥に燃え上がらせた。二人が腰を下ろしていたのは〈月の神殿〉の屋根の一角――眼下の世界から切り離され、頭上に広がる静謐へと溶け込める場所だった。

ヴェリスはこの場所に座るのを好んだ。ここなら月を何にも遮られずに見られるのだと、いつも言っていた。月への執着も無理はない。なにしろ彼は次代の長老至上位となるべき者であり、生まれたときから月の女神そのひとに選ばれた存在なのだから。

その証として、彼の額には三日月の印があった。それは絶えず淡く...

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