25-イン・ザ・ボイド

闇。

彼らに見えるものは、それだけだった。

前にも何もなく、後ろにも何もない。上にもなく、下にもない。

まるで虚無の只中にいるようだった。もう落下しているわけではなく、ただ宙に浮かんでいる。

アラリスの指先から炎が噴き出した。だが、現れたそばから掻き消えていく――まるで強い風が、ろうそくの火をあっさり吹き消すように。もっとも、ここに風などない。

ここには、何も……彼ら以外には。

アラリスはもう一度試したが、同じことが起きた。

三度目も失敗に終わった。だが今度は、別のものがあった。

感じ取れる。

気配。

彼はベラドンナを引き寄せ、腕の中の彼女をしっかりと抱え直した。

「見え...

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