38-ローズ型イヤリング

「私は裏切り者などではない!」イクルスは叫んだ。複数の衛兵が一斉に駆け寄り、彼を取り押さえようとしていた。

アルファのそばにいた衛兵が声を張り上げる。

「今夜、アルファ様が襲撃を受けた。そして捕らえられた裏切り者どもは、あなたから命令を受けていたと申しております、ガンマ」

「嘘だ!」イクルスは怒りに燃えて言い返した。

アニヤは父から息子へと視線を移した。場に満ちてゆく緊張はあまりにも濃く、息が詰まりそうだった。握りしめていた希望が、砂のように指のあいだからこぼれ落ちていくのを感じる。

「地下牢へ」アルファは命じた。今度こそ衛兵たちがイクルスを連れ去っていったが、彼は抵抗しなかった。

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