53-この楽園ではいつも困る

「私は、ただの男じゃないの」

「それはなおいいわ」

彼が返事をするまで、ほんの一秒とかからなかった。

「だめだ。おまえと親密な関係になるつもりはない」彼は彼女から身を引き、胸に置かれていた手がするりと落ちるのを許した。「おまえは死に瀕している。余計な執着など不要だろう」

彼の言葉はいつだって、彼女の中で怒りを煮え立たせた。今回もまた、苛立ちを顔に出さないよう無理に笑みを貼りつけ、書斎のあちこちへと視線を逃がした。目の前にいる男の存在がどれほど不愉快か、悟られたくなかった。

アルロを思い出さなければ。これは息子のためなのだ。

「ずいぶん無神経なのね」言葉の重さと、その奥の本気を薄める...

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