第63話苦難を伴う一つの勝利

気遣う、だと?

ばかばかしい!

いずれヴェリスは、彼が彼女を愛しているのだと責め立ててくるに違いない。

なんという狂気。

その言葉に反論してやりたかったが、彼女のことを気にかけているのは事実だった。

ただ、ヴェリスの言い方が悪い。まるで、二人のあいだにある絆が求める以上の何かがあるかのように聞こえてしまう。

月に誓って、なんたる愚行!

「理屈と判断を曲げるほどではない――そういう意味で聞いているのならな」彼は落ち着いた声で訂正した。「あの小さいの」アーロのことだ。「あれはここに残る。俺も、北境へ向かう時が来るまでここにいる。彼女には手紙を出して状況を説明し、あの日、彼女が俺を見た...

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