83-ラブシック・リップス

[ライカンの領域]

アニヤは、怒りに満ちたまま目を覚ました。

こんな状況で、よくものうのうと眠れたものだ――。彼女はずんずん扉へ向かった。だが、木の扉を拳で叩きつけようとしたその瞬間、扉のほうが先に押し開かれ、眉をひそめたオアナが入ってきた。

「まさか、あの人があなたを閉じ込めるなんて!」と、彼女は言い放った。

アニヤは両手をだらりと脇へ下ろした。「それより、あんなに長いこと私をひとりきりで放っておいたなんて、そっちのほうが信じられないわ」

「兄さまが一緒にいるものだと思っていたの」

アニヤは腕を胸の前で組み、そのまま廊下へ出た。「あの人の話なんてしないで。あなたのお兄さん、大嫌い...

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