107-禁断の動き

荒い息をつきながら、彼は彼女のほうへ向き直った。

「すまない――俺は、その――君が変じてしまうんじゃないかと怖くて――」

「いつかこの日が来ることを、ずっと恐れていた。けれど、自分はもっと強いと思っていたんだ。君の領域にいた頃のように強いと。あの忌々しい男が炎で君の足首を癒やしているのを見た瞬間、俺に足りないものがあるとわかった」彼は笑ったが、その音には少しの愉快さもなかった。髪をかき上げ、後ろへ撫でつける。「あのとき思い知ったんだ。俺には欠けているものが多すぎる、技も、ほかにも、本当にいろいろと。向こうでは王だったかもしれない。だがここでは、俺は子ども同然だ。あの竜の変成者たちの誰より優...

ログインして続きを読む