第52章-血まみれの心の物語

「誰も不運なんて欲しがりません。わたしたちを雇おうとはしないし、物も売ってくれない。恵んでもくれないんです。娘のことを話せば、みんな同情するような目では見てくれました。でも、それでも扉も窓もぴしゃりと閉ざしてしまうんです。これ以上わたしたちを家に入れておいたら、この不幸がうつるとでも思うみたいに」

彼女は鼻をすすり、顔は涙と熱でぐしゃぐしゃになっていた。

それからドレスの裾をつかむと、そこへ盛大に鼻をかみ、詰まった鼻を通して息ができるようにした。

再び口を開いたとき、その声はひどくか細かった。

「もうほかに頼る場所なんてなくて……みんなが恐れていた城へ行くしかありませんでした。そこには...

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