第54章-空腹

「陛下の竜に乗っていないなんて、意外です。まだ、約束してくださったあの空の旅に連れていっていただいていませんもの」

旅立ったばかりのころより、彼女は今のほうがいくらか肩の力が抜けているようだった。

そのとき、腹が控えめにぐうと鳴った。彼女は反射的にそこへ手をやり、ぼんやりと撫でた。

この会合、どうにか勝手に先延ばしになってくれればいいのに。

城の外に出られたことはたしかに嬉しかった。けれど、本来なら胸いっぱいに感じていたはずの高揚は、これから向かう先が遊びではなく仕事だという事実に、すっかり削がれてしまっていた。

今になって、彼女は王族というものを少しだけ理解した。王冠に課せられる責...

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