第87章-目を覚ましてください!

彼らの姿が消えたかと思うと、ほとんど間を置かずに、あの白い影がまっすぐ彼女のほうへ駆け戻ってきた。

今度のベラドンナは、見られることも、踏みにじられて痛みを負うことも、もう気にしてはいなかった。

その影は彼女を空気のようにすり抜け、床に落ちた心臓を拾い上げた。そのあと、空はさらにいっそう暗く沈み、影は衝撃を受けたかのようにぴたりと動きを止めた。

「勇敢なる者よ。おまえは黒き牡馬を討った。その奇妙な勇気の見返りに、何を望む?」

その声は雷鳴のようで、ベラドンナの身体をぞくりと震わせた。しかも聞き覚えがあった。そして次に花嫁泥棒が口にした問いが、その理由を明らかにした。

「君には私が見え...

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