第10章 本音をさらけ出す

「先生、お腹すきませんか。お粥、作ってきましょうか」

心海は首を横に振った。

「いらない。食欲ない」

宮本有紗が隣に腰を下ろす。言い出せずに何度も唇を噛み、それでも堪えきれなくなったように口を開いた。

「先生……いったい何があったんですか。酒井主任と……それに、あの……藤井愛美って人……」

言い切らなくても、意味は十分伝わっていた。

心海は長いこと黙っていた。あまりに長くて、有紗はもう答えは返ってこないのだと思いかけた、そのとき。

「私と酒井蒼真は、三年前に結婚したの」

ようやく落ちた声は、他人事を語るみたいに平坦だった。

「藤井愛美は、私の養父母の実の娘。見つかって家に戻...

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