第16章 こっそりコーデを盗み学ぶ淳太さん

一方そのころ、心海はようやく帰宅するなり、ソファに倒れ込みたくてたまらなかった。

今日は朝から晩まで休む間もなく動き回り、気分自体は悪くないのに、身体だけが正直に悲鳴を上げている。手の傷はほとんど塞がってきたとはいえ、力を入れるとじわりと鈍い痛みが残った。

靴をポンと脱ぎ捨て、バッグをソファへ放る。ふかふかのクッションに身体を沈め、目を閉じたまま、長く息を吐く。

スマホが「ピコン、ピコン」と二度鳴った。

だるそうに手探りで掴み、薄目で画面を覗く。表示された名前に、心海の瞳がわずかに見開かれた。

酒井蒼真。

心海はその二件のメッセージを、十秒くらい、ただ黙って見つめた。

それから...

ログインして続きを読む