第37章 心の海にはまたどんな悪だくみがあるのだろうか

スマホが、また震えた。

今度は酒井蒼真からだった。

「心海、昨日なんで愛美を殴った? あいつ今、自殺するとか騒いでてさ。俺はひとまず婚約を受けるしかなかったんだよ。でもこれはその場しのぎだ。落ち着かせるための措置。変に考えるな。……もう二度と手を出すなよ。お前が殴ったから、こんな面倒なことになったんだ」

坂本紗彩はそれを読み終えた瞬間、怒りで全身をぶるぶる震わせ、スマホをソファへ放り投げた。両手を腰に当てて怒鳴る。

「はぁ!? 酒井蒼真、まだ人間やってんの? 藤井愛美のあの狂いっぷり、あんたを壊しかけたのに、殴った方が悪いって何それ。婚約? その場しのぎ? 心海のことバカだと思ってん...

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