第46章 副専攻

夕暮れどき、松本淳太が彼女を迎えに来た。

藤井心海は着替えていた。白い綿麻のシャツに、淡いブルーのジーンズ。髪は無造作に肩へ落としている。二時間ほど眠ったおかげで顔色はだいぶ戻り、目の奥にこびりついていた疲労も、ようやく少し薄れていた。

二人は細い石畳の道を、海辺へ向かってゆっくり歩いた。道の両脇には、小さな店が肩を寄せ合うように並んでいる。手作りの革小物を扱う店、油絵を飾った店、アロマキャンドルを売る店――どの店先も、それぞれに洒落た趣があった。

店主たちは入口の前で思い思いにくつろいでいた。コーヒーを飲んでいる者もいれば、猫をじゃらして遊んでいる者もいる。二人が前を通ると、みな穏や...

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