第54章 戦わないなら、お前は今すぐ死ぬ

彼は、傍らで震え上がっている麻酔科医へ顔を向けた。

「何をぼさっとしてる。麻酔を入れろ。そのまま手術室へ運べ」

「ですが、阿部さん……! この方は興奮が激しすぎて心拍が上がっています。この状態で麻酔を無理に入れれば、心停止を起こす危険があります……!」

麻酔科医は注射器を持つ手まで震わせていた。

「いいから打て」

阿部岳斗は腰の拳銃を引き抜くと、そのまま麻酔科医のこめかみに押し当てた。

「打たなければ、お前が死ぬ」

麻酔科医は腰を抜かさんばかりに怯え、震える手で美玲の静脈に針を刺した。冷たい薬液が、容赦なく血管へ押し込まれていく。

美玲は絶望に濁った目で天井を見つめた。

お...

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