第56章 彼女が無実なはずがない!

「岩崎さんです! 名前までは知りません……っ」

 ハッカーは絶叫した。極限の恐怖と激痛で、声はすっかり裏返っている。

 阿部岳斗の大柄な体が、びくりと震えた。

 宙吊りのまま揺れるハッカーを、阿部岳斗は射殺さんばかりの目で睨みつける。

「今、なんて言った……もう一度言ってみろ」

 ハッカーは鼻水も涙も血もぐちゃぐちゃに垂らしながら、半狂乱で叫んだ。

「500万です! あの女が俺に500万払ったんだ! 海外の匿名口座から送金された! 連絡してきたIPも、あの女が入ってる私立病院のVIP病室からだった! 本当です、全部本当なんです!」

 阿部岳斗の頭が、真っ白になった。

 まさか...

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