第12章

古川朱那は満足げに去っていった。

だがリビングには、男が三人。沈黙だけが重く落ちている。

まとわりつくような圧の強さは三者三様で、けれど苛立ちの根っこは同じ――全員が、同じ件で頭を抱えているのが見て取れた。

そこへ周防天華が階段を下りてくる。

「……あいつ、何て言ってた?」

真っ先に立ち上がったのは古川礼和だった。

他の二人も、答えを急かすような目を向ける。

周防天華の胸に、どろりとした嫉妬が湧いた。

ほら、やっぱり。

この兄たちは自分に優しい顔をするくせに、心のどこかでは古川朱那を気にしている。

――まあいい。さっき、あのクズは追い払っておいた。

「べ、別に……何でも...

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