第14章

古川礼人は胸の内であれこれ考えた。本来なら、佐島明のほうから自分に挨拶に来るべきだ。だが礼人は、結局そのまま周防天華に付き添って歩いた。

古川朱那に、俺を敵に回したらどうなるか思い知らせたい。心から謝るまでは、もう二度と庇ってやらない――そんな意地だった。

「佐島さん」

周防天華が、砂糖を溶かしたような笑みで佐島明に声をかける。佐島はようやく気づいたように視線を戻し、軽く会釈した。

「周防嬢。どうも」

古川礼人の顔を立てているのだろう。佐島明の態度は悪くない。

だが、天華と礼人の距離感――いかにも親密な空気。さらに、礼人が朱那に向ける冷たさを思い出すと、佐島明は内心で頷いた。

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