第147章

例の噂を思い出すだけで、胸の奥がむかむかした。

須藤若菜は一瞬きょとんとして、信じられないという顔で探るように言う。

「え、うそでしょ。さっき救急で処置してたとき、彼、外で待ってたじゃん。めちゃくちゃ心配してる感じだったし……二人、何か誤解してない?

ほら、友達にはなれるっていうかさ」

「若菜、甘いよ。あの人、見た目ほど単純じゃないから」

古川朱那はそう遮って、佐野鶴の話題をこれ以上続けたくなくて目を伏せた。

須藤若菜は唇を尖らせ、結局それ以上は言わない。

病室はしん、と静まり返った。

朱那は真っ白な天井へ視線を投げ、ここ最近の出来事を思い返して、胸の内に重たい苛立ちが渦巻く...

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