第23章

少なくとも、あの場にいた連中の半分は彼女を快く思っていなかった。

新人のくせに、監督が反対意見をねじ伏せてヒロインに据えた――それだけで十分、嫉妬の的になる。

しかも今日は、佐野鶴と一日中いい雰囲気で過ごしていた。

嫉妬ほど、厄介で恐ろしいものはない。

古川朱那は本来、ああいう連中と同じ土俵に立つつもりはなかった。

けれど、そのとき。

須藤若菜が腰に両手を当て、周囲に向かって怒鳴り散らした。

「何それ? 古川礼希が朱那を殴るのはOKで、朱那がやり返したらダメって? どんなクソ理屈よ!」

須藤若菜は界隈でも有名な、喧嘩っ早い姉御肌だ。

遊び人の坊ちゃんだろうが容赦なくぶん殴っ...

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