第30章

一方その頃、周防天華と林田妃羅は小声でひそひそ話をしていた。

二人とも来る前に念入りに身だしなみを整えてきたのに、さっき古川朱那を見た瞬間、林田妃羅の胸の奥で何かがぐらりと傾いた。

古川朱那はほぼすっぴん。なのに、どうしてあんなに「素材の良さ」が際立つの――?

「何をビビってんのよ。あたしたちが、あの子に負けるわけないでしょ」

周防天華は奥歯を噛みしめると、バッグからダイヤのネックレスを取り出して林田妃羅の首元に掛けてやった。さらに自分の耳には、きらきら光るゴールドのイヤリング。

二人は視線を交わし、これで勝てる、と根拠のない自信を取り戻す。

向かったのは、帝都最大級のショッピン...

ログインして続きを読む