第31章

古川朱那は黙って見守っていた。周防天華の顔色が、瞬く間に強張るのが分かる。

だが古川礼人までがああ言い、皆が注視している以上、いつまでも芝居を続けるわけにはいかないのだろう。

天華は渋々カメラマンに電話をかけ、ほどなくして圧縮ファイルが別の家族グループへ転送された。

朱那はそのグループに入っていない。けれど、古川礼人たちが一斉にスマホへ視線を落として画面を追い始めた時点で、何が起きたかは察せた。

朱那は遠慮しない。礼人のスマホをすっと抜き取り、そのまま自分をグループに追加する。

礼人の顔が沈み、眉間が寄った。

「……何してる」

「実の妹に向かって、その言い方?」

朱那は淡々と...

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