第67章

「そうだ!」古川礼希も低く言い放つ。「いい加減、身の程を知れ。おまえ一人で、芸能界でのし上がれるとでも思ってるのか」

古川邦夫は顔面蒼白ならぬ鉄青。肩で荒く息をしながら、古川朱那の鼻先を指で突きつけ、歯ぎしり混じりに怒鳴った。

「まだ今日の午後の件で拗ねてるのか。それとも、家が出した条件が気に入らないのか?

いいか、これはおまえのためだ。調子に乗るな、厚意を踏みにじるんじゃない!」

古川礼和だけは辛うじて冷静だった。だが視線は鋭さを増し、怒りを噛み殺しているのがありありと分かる。

「古川朱那。理由を言え」

その目を受け止めながら、朱那は引かなかった。むしろ笑いがこみ上げる。

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