第86章

彼女の口調は淡々としているのに、一言一言が筋が通っていて、瞬く間に全員の口を塞いだ。

互いの顔を見合わせるばかりで、誰も次の言葉が出てこない。

空気が、しんと沈む。

古川朱那は二人の警察官に軽く会釈した。

「ご足労いただき、ありがとうございます。必要なことがあれば、私にできる範囲で必ず協力します」

警察官は一度視線を交わし、そのうちの一人が前に出る。事務的な調子で告げた。

「古川さん、周防天華さんのお部屋と、残されていたメモを確認させてください。失踪の可能性があると判断した場合、規定に従って捜索として受理し、捜査を開始します」

古川家の面々の顔色が一気に悪くなる。

こんなこと...

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