第15章

小林暁の脚の怪我は、崎原時男のところでは隠しようのない話だった。

時男は女の言葉につられて視線を下げたが、目の前にはテーブルがある。見えるはずもなく、すぐに視線を戻す。

「まだ痛むのか」

「もう痛くないよ」

小林暁は平然と嘘をついた。

妊娠はまだ確定していない。それでも彼女は、むやみに薬を飲むのが怖かった。

言葉だけを聞けば綻びはない。けれど小林ゆきはなおも目を伏せ、睫毛の影に計算を滲ませた。

――見てやる。こいつが必死に隠してる『薬』ってやつを。

紙袋のレシートはわざわざちぎり取られている。後ろ暗いものじゃなければ、そんな手間をかける必要がない。

食事を終えると、小林暁は...

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