第30章

病院へは、ナンバーの末尾が「8888」のマイバッハが、予定より三十分も早く恒愛病院に着いていた。

もともと護衛たちは小林暁だけを連れて行くつもりだった。崎原時男が「小林暁を連れて来い」としか言っていなかったからだ。けれど成田七海がどうしてもついて行くと言い張り、断られるや否や、手にしていたバッグを車のボンネットへぶんと叩きつけた。

痛くも痒くもない程度の嫌がらせ。とはいえ、護衛たちにとっては十分すぎる厄介さだった。

しかも小林暁までそれに便乗した。

七海を連れて行かないなら、自分も行かない――と。

そのせいで護衛二人は、以前、崎原時男が何気なく口にした一言を思い出す。

成田七海と...

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