第67章

崎原時男は調べただけじゃない。人をつけて小林ゆきの足取りを追わせ、彼女の大学にまで当たらせたこともある。

あの頃の時男は小林ゆきへの執着が深く、いつも背後で待っている小林暁には、ほとんど目もくれなかった。

当時の崎原時男にとって小林暁は、ただの「小林ゆきの姉」――自分に気がある女、それだけだった。

小林ゆきが最初に連絡を絶った半月、彼は本当は焦っていた。思いつく限りの手を尽くし、使える資源をすべて動かして探した。万が一にも、何かあったら――そう思うと、胸の奥がざわついて落ち着かなかった。

その焦りのせいで、小林暁への態度はますます荒くなった。苛立ちが募るほど、ふと――いなくなるのが彼...

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