第70章

小林暁はさらに2時間を費やし、目の前に積み上げた資料の山――『平原』を、ようやく3分の1ほど片づけた。

脇にはタブレットも置いてある。重要な数値や、優れた企画の成功事例を記録するためのものだ。

2時間ぶっ通しで集中したせいで、少し肩を回しただけで首筋までじんわり痛む。小林暁はこわばった肩を拳でとんとん叩きながら、横に伏せて置いていたマナーモードのスマホを手に取った。

ただの気まぐれ――そのはずだったのに、画面に幸村蓮二からのメッセージが表示されているのが目に入る。

【いつ出るつもり?】

その一文に、小林暁はわずかに息を止めた。心臓が、ゆっくりと縮むみたいに一度だけきゅっと痛む。しば...

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