26、

後藤正樹視点

俺は言いかけた言葉をすべて飲み込み、素直に頷いた。

「もう止めない。お前の決断だ。俺は尊重する」

「これが、私の決断」彼女の声は揺れない。

彼女は踵を返して歩き出す。俺は黙ってその背を追い、二度と余計な口を挟まなかった。

しばらく進んだところで、彼女がふいに足を止め、停めた車のほうを振り返った。

「戻る? ……ちょっと歩きすぎたかも」

疲れが滲む眉と目元を見て、俺は尋ねる。

「気分、少しは落ち着いたか」

彼女は小さく頷いた。

「戻るか、もう少し行くか。好きにしろ」

「……もうちょっとだけ」

「わかった」

さらに歩く。民家の灯りはまばらになり、周囲に残る...

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