36、

白川蘭視点

スタジオの中を行ったり来たり。数分迷って、それでもスマホを取り出し、高坂綾乃に助けを求めるメッセージを打った。

高坂綾乃「どうした? 何かあった?」

私「今、時間ある? スタジオまで来てくれない」

高坂綾乃「待ってて。すぐ行く」

20分も経たないうちに、高坂綾乃は息を切らして駆け込んできた。

私はスタジオ入口の段に座り、煙草を吸っていた。彼女の肩が上下するのを見て、喉がからからのまま言う。

「終わった……」

「何が終わったの? 何があったの?」

高坂綾乃は眉を寄せて、心底焦っている顔だった。

口を開きかけて、言葉が詰まる。

品が良くて、仕事ができて、どんな場...

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