37、

白川蘭視点

私は幼い頃から身体が弱く、病気がちだった。あのご婦人と、どこか似た境遇を抱えている。

だから、彼がこの彫刻を私に贈った理由は、すぐに分かった。

まつげが勝手に小さく震え、鼻の奥がつんと痛む。視界まで、じわりと滲んでいく。

心の中で何度も繰り返すしかない。後藤正樹――どうして、そんなに優しいの。

「……すごく、好き」

私は力いっぱい頷いた。声が少しこもってしまう。

本当に胸を打ったのは、この白石彫刻の背後にある、静かであたたかな心遣いだった。

「もし、この先の人生で……こんなふうに命の通った作品を作れたら。そこで手を止めても、悔いはないって思う」

「気に入ったなら...

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