38、

後藤正樹視点

空気が、固まったみたいだった。

蘭の、あまりにまっすぐな探り方。

まるで最初から全部お見通しで、俺の弱いところを指先でつままれているような感覚になる。

この数秒の沈黙が、やけにきつい。

指先が勝手に力を込めてしまう。手の中の粘土の素地が、ざらついて乾いた感触を返した。

伏せられた彼女の目を見つめたまま、俺は区切るように言った。

「……そうだ」

彼女のまつげが、ぴくりと震えた。肩が一瞬で強張るのもはっきり分かる。

蘭は顔を上げ、真っ直ぐに俺の目を射抜いた。

平然としていろ。いつも通りに。

そう言い聞かせて、表情を崩さないようにする。

しばらくして、彼女が深...

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