47、
白川蘭視点
「そんなことないよ」後藤快斗はふっと笑った。「何か食べたいものある? 取ってこようか」
「いい。冷たい水を一本だけ」
後藤快斗はうなずくと、そのまま外へ出ていった。
後藤正樹は足を止め、ローテーブルのそばまで来ると、そこに置かれていた銀色のトロフィーを無造作に脇へどけ、そのままつるりとした天板に腰を下ろした。少し身をかがめ、まっすぐに私の顔をのぞき込んでくる。
あまりに不意打ちで、私はびくっとして、反射的に身を引いた。
彼はそんな私の表情をじっと観察し、やわらかく、それでいて抑えた口調で言う。
「少し離れただけなのに、またそんな顔をしてる」
その声が優しすぎて、私...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 1、
2. 2、
3. 3、
4. 4、
5. 5、
6. 6、
7. 7、
8. 8、
9. 9、
10. 10、
11. 11、
12. 12、
13. 13、
14. 14、
15. 15、
16. 16、
17. 17、
18. 18、
19. 19、
20. 20、
21. 21、
22. 22、
23. 23、
24. 24、
25. 25、
26. 26、
27. 27、
28. 28、
29. 29、
30. 30、
31. 31、
32. 32、
33. 33、
34. 34、
35. 35、
36. 36、
37. 37、
38. 38、
39. 39、
40. 40、
41. 41、
42. 42、
43. 43、
44. 44、
45. 45、
46. 46、
47. 47、
48. 48、
49. 49、
50. 50、
51. 51、
52. 52、
53. 53、
54. 54、
55. 55、
56. 56、
57. 57、
58. 58、
59. 59、
60. 60、
縮小
拡大
