47、

白川蘭視点

「そんなことないよ」後藤快斗はふっと笑った。「何か食べたいものある? 取ってこようか」

「いい。冷たい水を一本だけ」

後藤快斗はうなずくと、そのまま外へ出ていった。

後藤正樹は足を止め、ローテーブルのそばまで来ると、そこに置かれていた銀色のトロフィーを無造作に脇へどけ、そのままつるりとした天板に腰を下ろした。少し身をかがめ、まっすぐに私の顔をのぞき込んでくる。

あまりに不意打ちで、私はびくっとして、反射的に身を引いた。

彼はそんな私の表情をじっと観察し、やわらかく、それでいて抑えた口調で言う。

「少し離れただけなのに、またそんな顔をしてる」

その声が優しすぎて、私...

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