55、

後藤正樹視点

木箱を提げてドアを押し開け、シアタールームへ入った。

天井灯は落ちたまま。巨大なスクリーンには古い映画が流れている。

その淡い光だけが、部屋の輪郭をぼんやりと浮かび上がらせていた。

木箱を差し出す。

「プレゼント」

蘭が顔を上げ、澄んだ瞳でこちらを見る。

「……なに、これ?」

蓋を開けて、中身をガラステーブルの上へあけた。

ムーンストーンのブレスレットが十数連。

薄暗がりの中で、青い光がひそやかに滲む。

ナイトマーケットで、屋台の店主が快斗に言っていたのを聞いた。ムーンストーンは縁結びに効く、と。

あいつらが離れたあと、俺は引き返して、並んでいたブレスレ...

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