第6章
「病院ではっきりさせてくる」
悠介はようやく口を開いた。その声は固い決意に満ちていた。
踵を返し玄関へ向かおうとしたが、父の切羽詰まった声に引き止められた。
「行くな!あいつらは詐欺師だ!」
隆人が叫び、杖で床を強く叩きつけた。
悠介は足を止め、ゆっくりと父に向き直る。その瞳には、かつてないほどの決意が宿っていた。
「父さん、俺はもう大人だ。もうすぐ成人する……」
悠介の声は冷たく、どこか他人行儀だった。
「もう、あんたに俺は止められない」
隆人の顔色が一変する。息子の態度に心を刺されたかのようだ。
「俺を責めているのか?」
その声は怒りで震えていた。
...
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