第12章

寝室の奥へと歩いていくと、バスルームの灯りがついており、中から水の流れる音が聞こえてきた。どうやら高橋和也はちょうど入浴中のようだ。

佐藤七海は部屋の中を見回してみた。ここにあるものは何一つとっても、外で売れば相当な値段になるだろう。さすがお金持ちの世界だ。彼女は本当に不思議に思った、お金持ちはどうやってお金を使うのだろう。

そして、彼女の目は隅に堂々と立てかけられた等身大パネルに引き寄せられた。不思議に思いながら近づいてみる。高橋和也の寝室に、なぜ路上で見かけるような人型スタンドがあるのだろう?

佐藤七海は明かりのついたバスルームのドアを振り返った。彼もアイドルの追っかけ?はっ......

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