第22章

「私たちはいとこ同士で、私の名前は鈴木洋だ」そう言うと、彼は手を差し出した。ところが佐藤七海はその握手の儀式など完全に無視し、本題に飛びついた。「そうなんだ、じゃあ高橋和也の血液型知ってるよね?」

鈴木洋は彼女が握手する気がまったくないのを見て、手を引っ込めたが、少し不思議そうに彼女を見つめた。「知ってどうするんだ?」

「で、彼の血液型は?」佐藤七海のその整った小さな顔には期待が満ちあふれ、星のように輝く瞳は誰も拒絶できないほどだった。普段あんなに冷たい彼女がこんなに可愛くなると、人をどれほど狂わせるか、彼女自身は恐らく知らないのだろう。

一瞬、鈴木洋は彼女のその眼差しに呆然とし、無防...

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