第37章

佐藤七海はベッドサイドにあったパジャマを身に纏うと、薄い掛け布団をめくってベッドから降り、トイレへと駆け込んだ。両脚の間に感じる痛みが、彼女に容赦なく現実を突きつける——お前はもう処女ではない、もう初めてを失ったのだと……

洗面所に入り、鏡の前に立つと、そこには髪の乱れた自分の姿が映っていた。白い首筋には無数のキスマークが——。

七海は慌てふためき、震える指先で自分の首筋や胸元に触れた。白い肌には情事の痕跡が残されており、彼女の瞳にはたちまち涙が浮かんだ。

「本当に……あのクズと……寝たの……?」

自分でも信じられず、答えを求めるように鏡の中の自分に問いかけるが、鏡に映る自分は情事の...

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