第140章 気は済んだか

いつの間にか、橋上七海と神宮寺直人が会場に姿を現していた。二人の視線は、入場するやいなや九条綾を捉えた。

「本当に帰ってきてたんだな。子供は? 見当たらないけど」

神宮寺直人は、九条綾が桐島京介と親しげに談笑する横顔をじっと見つめ、気のない様子で言った。

「こんな場所に連れてくるわけないだろ。頭使えよ」

橋上七海は自身の額を軽く叩いた。

「それもそうか。よし、挨拶してくる。お前も行くか?」

神宮寺直人は西園寺蓮のいる方角を一瞥した。蓮が時折、九条綾に視線を送っているのに気づき、口の端を吊り上げる。

「ああ」

「行くぞ!」橋上七海は、何か忘れていることがあるようだった。

桐島...

ログインして続きを読む