第153章 寄り添って生きる

松本真由からの返信は途絶えた。九条綾はゆっくりと携帯を置いたが、心に澱が溜まっていると眠れない性分だった。

彼女は顔を向け、健やかな寝息を立てている光を一瞥すると、布団を跳ねのけてベッドを降りた。

彼女は再び、亡き祖父の部屋へと足を運んだ。ベッドの端に腰を下ろし、写真立てを手に取ってじっと見つめる。

指先で、祖父の慈愛に満ちた笑顔を優しくなぞった。

「お爺様。光が病気になってしまいました。あの子は本当に物分かりが良くて、聞き分けのいい子なんです。もしお爺様が生きていらしたら、きっとすごく可愛がってくれたはずです」

「分かっています……もうあの人と関わるべきではないということは……」...

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