第172章 君だけが欲しい

瑞原真奈の顔色は最悪だった。彼女はドアの方を指差し、その女を冷ややかな目で見据えた。

「すぐに出て行って!」

女は肩をすくめ、そのまま立ち去ろうとした。どうせ金のために来ただけだ、執着などない。

だが、瑞原真奈はふと呼び止めた。

「上のあの人……どうだった?」

女は足を止め、振り返った。

「彼女? 可哀想に。ひどい泣き方だったわよ……」

瑞原真奈の顔から血の気が引いた。彼女は拳を握り締め、目を閉じた。

「上は、終わったの?」

「まだよ。あの色の白い人、神宮寺さんに殺されるんじゃないかって心配になるくらい……」

瑞原真奈は床の一点を長いこと見つめていたが、やがてふらりと立ち...

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