第185章 避妊薬

会議室の空気は重苦しく、時計の針だけが無情に時を刻んでいく。だが、例の夫婦はどちらも姿を現さない。

出席者たちは不安げに顔を見合わせ、ひそひそと耳打ちを始めた。

瑞原真奈は凍りついたような表情で椅子に座っている。そのあまりに拒絶的なオーラに気圧され、隣の席の者さえ、情報を探ろうと話しかけることすらできない。

どれほどの時間が過ぎただろうか。ようやく小味俊夫が会議室のドアを開けた。

続いて神宮寺賢一が足を踏み入れる。瑞原真奈が視線を向けると、彼の髪がまだ完全には乾いていないことに気づき、その表情はいっそう氷点下へと沈んだ。

神宮寺賢一は急に静まり返った室内を見回し、口元に薄い笑みを浮...

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