第187章 こんなに酷い

引き出しが少し開いていた。中には小瓶が転がっている。どうやら薬瓶のようだ。

九条綾は手を伸ばしてそれを取り出した。

ラベルに書かれた薬品名と効能に目を走らせる。胃薬だった。

先日、三満に言われた言葉が脳裏をよぎる。

胃の調子が悪いのか?

だが、彼は薬を飲まない主義だったはずだ。

キャップを捻って開けると、すでに開封済みだった。

西園寺蓮が出てくると、自分の薬瓶を手にしている彼女が目に入った。瞳の光が一瞬にして陰る。だが数秒後には表情を消し、彼女の手からそれを取り上げて引き出しに放り込んだ。

九条綾はそこでようやく顔を上げ、彼を見つめた。

「胃薬、飲んでるの?」

西園寺蓮は...

ログインして続きを読む