第11章:エマの名を呼んで

クラウス視点

ぼろぼろになった身体を引きずり、ゴールデンムーン邸へ戻った。

扉をくぐった瞬間、スティーブンが駆け寄ってくる。

顔色がみるみる死人のように青ざめた。

「アルファ! なんてことだ、いったい何があったんです!」

彼は俺の身体を支えた。「ひどい傷です! 今すぐ病院へ――!」

「病院は行かない」俺はその手を払いのけ、ソファへ崩れ落ちた。

肩から走る灼けつくような痛みに顔が歪む。

俺はスティーブンに命じた。「俺の専属医を呼べ。このことは誰にも知られるな」

スティーブンは俺の身体に刻まれた爪痕と銃創を見つめ、怒りで目を赤くした。

「どこのどいつがやりやがった!? 言ってください、今...

ログインして続きを読む