第114章消えた囚人

三人称視点

激しい雨が上がったばかりの高速道路を、車は猛スピードで駆け下りていた。車内の空気は息苦しいほど重く、胸の奥まで圧がかかるようだった。

ジャスティンは顎をきつく噛みしめている。エマがたった一人で命を危険にさらした――その事実が、怒りとなって顔に濃い影を落としていた。

ワイパーが規則正しく左右に往復し、カチ、カチ、と乾いた音を刻む。その音があるせいで、かえって沈黙がいっそう重く感じられた。

エマはシートに身を預け、ぐったりとしていた。さっきまで続いた吐き気をこらえる空嘔吐で喉が焼けるように痛む。

彼女はジャスティンの張り詰めた横顔を盗み見た。罪悪感が波のように押し寄せる。

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