第26章:エマとクラウスの対決

三人称視点

クラウスは二階の貴賓席に腰を下ろし、舞台中央に立つナンシーを見下ろしていた。

レッドストーン大学の恒例となっている慈善ガラは、退屈で眠気を誘うばかりだ。

こういう場は好きではない。だがナンシーにはこの舞台が必要で、ムーンライト財団にも華々しいデビューが要る。

彼女への埋め合わせでもあり、財団の評判のためでもある以上、彼は出席せざるを得なかった。

そのとき、別のアルファの匂いがふっと空気に混じった。

クラウスはわずかに目を細め、視線を向ける。――ジャスティンだ。

やはり来ていたか。

驚くには値しない。レッドストーン市は中立地帯で、彼がここにいるのは自然な...

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