第43章:壊れた信頼

エマ視点

匿名のメッセージは確かに私宛てに送られてきた。けれど、その写真を撮ったのが誰なのか、私ははっきり分かっていた。

ナンシーと口論するのはもう諦めていたのに、彼女はどうしても私を放っておいてくれない。

そういうことなら、こちらだって引き下がる理由はない。

アリステアが手配してくれた弁護士に電話をかけようとした、そのとき――廊下の奥から足音が聞こえた。

顔を上げた瞬間、息が止まる。

空気に混じったアルファの匂いが、心臓を早鐘のように打たせた。

なぜクラウスが、この病院に?

鎖が地面を引きずられる音が、また耳の奥で鳴った気がした。恐怖が一気に押し寄せ、視...

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